武雄競輪の開設73周年記念「大楠賞争奪戦」(GⅢ)は4月25日、12Rで決勝戦が行われ、脇本雄太(34=福井)が8番手捲りを決めて、1月の和歌山、豊橋に続いて今年3度目の記念完全V。2着は5番手から捲った新山響平、3着は新山マークの佐藤慎太郎だった。
【ダービーへ弾み】
復調途上でもこの強さ。昨年、史上初めて3億円レーサーとなった脇本が4日間、圧巻の走りを見せて完全V。来月2日から始まるGⅠダービーに、これ以上ない弾みをつけた。
九州プラス四国勢が4車結束して地元エースの山田庸が番手捲りに出ても、好仕上がりだった新山が強烈に捲っても、脇本を止めることができなかった。
「走る直前に雨が強くなったので視野を広く持ちたいと考えていた。思った以上にペースが速くなったので、とにかく落ち着いて、と思っていた」
別線の両ラインが思惑通りのレースを展開。〝いくら脇本でも届かないのでは〟という流れになったが、上がり10秒9の好タイムで一気にのみ込んだ。
「雨で気をつけながら(踏んだ)にしてはいいタイム。余裕はないけど戦えないことはないのかな。まだ完全ではないけど、少しずつ近づいていると思う」
GP覇者のチャンピオンジャージーを着て臨む初のダービーを前に、完全復活への道がはっきりと見えた。(本間 正則)
◇脇本 雄太(わきもと・ゆうた)1989年(平元)3月21日生まれ、福井県出身の34歳。94期。昨年のKEIRINグランプリ覇者。GⅠ優勝は7回。GⅢ優勝は1月の豊橋記念に続いて14回目。1㍍80、73㌔、血液型A。
◆次走 優勝した脇本雄太、2着の新山響平、3着の佐藤慎太郎は5月2~7日の平塚GⅠ日本選手権に出走する。